あきあるの投資備忘録

投資は自己責任でお願いします。

「終わりの始まり」か「始まりの始まり」か

日経平均が高値2月22日39156円迄つけ、ザラ場ベースの高値1989年の38957円を更新し史上最高値を更新したことで話題になっています。終値ベースでも39098円と1989年の38915円を更新しています。今後の見通しについて史上最高値を更新して株価位置が高いのでこれから株価は下がるという「終わりの始まり」という意見と、高値を更新したことでこれから上昇が始まるという「始まりの始まり」という意見の両極端の2つの意見があります。

個人的な見解となりますが、日本の株式市場に関しては「始まりの始まり」との感覚でいます。それはなぜかといいますと、日経平均のPERは16倍台で決してバブルではないことです。1989年の日経平均のPERは64倍で確かにバブルです。ただ、今の日経平均はPERは16倍とアメリカに比べて割安な水準です。

米国は株の神話があります。米国においては今現在株価は市場最高値であり、株は下がったときに買っておけば必ず儲かるとの神話です。日本においては株は上がったら下がるので、上がったときに売らないといけないという認識が、史上最高値を更新したことで時間はかかったが株は下がったときに買っておけば必ず儲かるといる認識にどこかで変わる気がしており、日本株はこれから株の上昇の「始まりの始まり」という認識でいます。

もちろん、短期的に上がり過ぎていますので、GPIFのバランス調整等で下がる場面はあるかもしれませんし、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル紛争等に次ぐ戦争リスクや地震等の自然災害のリスクも当然あります。ただ、株価があがることで明確に起こることは資産効果です。米国では株を保有している人の割合が高く、株があがることで個人の懐がうるおい消費が増えて米国経済全体の成長につながるという好循環が生まれています。日本においてはまだまだ株や投信等の金融資産に投資している人の割合が相対的にすくなくまだまだ資産効果はすくないですが、日本がデフレからインフレに変わることでその流れが一変します。

インフレになると現金で持っておくことや銀行に預けていることが不利になります。デフレであれば物価下落分だけ現金の価値が想定的に上がるので現金で持っておくことが正義でした。逆にインフレでは現金は物価上昇分だけ資産が相対的に減ることになるので、現金で持っておくのは悪となります。インフレに強いのが株ですので、日本において現金から株に資金シフトが起きて新NISAの効果もあって、1996年の金融ビックバンよりも大きい「貯蓄から投資へ」の動きが起こると思っています。

1989年の年の日経平均終値ベースの最高値株価は38915円。砂漠へ行こうとの自虐的なネタになっていましたが、1989年のNYダウの終値は2753ドル。失われた35年の間にNYダウは14倍になり、日経平均は1倍に戻っただけです。日本株の割安感は明らかであり、東証がPBR1倍割れの改善要求の突きつけた今、日本の株は「終わりの始まり」ではなく、「始まりの始まり」だと考えております。